アクア用語集

【コペポーダ】淡水・海水・汽水域に幅広く生息する動物プランクトンの一種

「コペポーダ」とは、顎脚綱・橈脚亜綱に属する小型甲殻類の総称であり、橈脚亜綱の学名である「Copepode」をカタカナ読みにした呼び名です。体長は約1mm~1cm、世界中の淡水・海水・汽水域に幅広く分布しています(表層から深層まで)。コペポーダは現在までに1万種以上が確認されており、代表種としてはキクロプス目(ケンミジンコ)やカラヌス目(ヒゲナガケンミジンコ)などが挙げられます。なお、橈脚亜綱は別名「カイアシ類」とも呼ばれており、これは彼らの遊泳脚の動きが船を漕ぐオール(橈:かい)のように見えるためです。その他、「じょうきゃく類」「ぎょうきゃく類」「とうきゃく類」などとも呼ばれています。
アクアリウムにおいては主に飼料の一種として扱われています。なおキクロプス目(ケンミジンコ)に関しては、「海産ミジンコ」と呼ばれることもあります。

コペポーダは栄養面に優れているだけでなく、その嗜好性・利便性の高さなどから、魚類や無脊椎動物等の飼料に用いられてきました。また、「人工飼料に餌付いていない生体」「拒食を起こしている生体」「体(口)の小さな生体(稚魚など)」「プランクトン食の生体」等に対しても非常に有用的であるとされています。

海洋生物をはじめ多くの生物の優良な餌となっているコペポーダは、その多くの種が「休眠」を行います。この休眠が行われる時期(成長段階)はコペポーダの種類によって大きく異なり、卵(耐久卵・休眠球)の状態で行うものや幼生期(ノープリウス・コペポダイト)に行うものもいれば、成体になってから行うものもいます。成体になってから休眠を行う種の多くは、夏場に多くの餌(植物プランクトン)を食べ、その養分を体内に油(油球)として蓄えた状態で深海に潜り、そこで休眠します。
油球を蓄えたコペポーダの栄養価は非常に高く、海水魚の正常な発育に必要だとされている高度不飽和脂肪酸(DHA・EPA)も多く含有しています。