「栄養塩」とは?
藻類等が必要とする無機塩類の総称。アクアリウムにおいては一般的に、硝酸・リン酸・ケイ酸を指すことが多い
「栄養塩」とは、生物が正常な生活を営むために必要とする塩類の総称です。「栄養塩類」とも呼ばれています。
アクアリウムにおいては一般的に、植物・藻類・植物プランクトン等が必要とする窒素・リン・ケイ素を含んだ無機塩類の「アンモニア」「亜硝酸」「硝酸塩」「リン酸塩」「ケイ酸塩」を指し示しますが、多くの場合それらの中でも特に「硝酸」「リン酸」「ケイ酸」の3つが重要視されています。これらの栄養塩は「硝化作用」「餌」「水道水」などといった様々な要因により水槽内へ蓄積されていきます。
植物の栄養源となる栄養塩は、生態系が構築されるうえで重要な、言わば「食物連鎖の基盤」となる物質です。しかし狭い水槽内における過剰な蓄積は、水質悪化やコケ(藻類)の発生及び成長の促進、また多くの生物(特に無脊椎動物)に対し様々な悪影響を及ぼしてしまいます。そのため、水槽内の栄養塩濃度は常に低く保つようにしましょう。
しかし、栄養塩は基本的に生物ろ過により分解されることはありません。そのため水槽内から除去するためには「水換え」「脱窒菌による脱窒」「植物による消費」などの処置を行う必要があります。
なお、自然界においてこれらの栄養源が過剰発生した結果、植物プランクトンが異常増殖し海面が赤く染まる、通称「赤潮」と呼ばれる現象が発生します。この赤潮の発生原因には様々な憶測が挙げられていますが、未だ完全には解明されていません。