アクア用語集

【亜硝酸塩】アンモニアが硝化菌により分解(酸化)された結果発生する有害物質

亜硝酸塩(NO2)」とは?

硝化作用の過程で発生する有害物質。アンモニアほどの毒性はないものの、多くの生体に対し悪影響を及ぼす

亜硝酸塩(NO2)」とは、水槽内で発生したアンモニアがアンモニア酸化細菌(硝化細菌によって分解(酸化)された結果発生する物質です。別名「亜硝酸イオン」。また、単に「亜硝酸」と呼ばれることもあります。

亜硝酸塩はアンモニアほどの毒性はないものの、多くの生体に対し悪影響を及ぼします。なお、亜硝酸塩は亜硝酸イオンが化合した塩類の総称であり、水中においては主に電離し亜硝酸イオンとして存在しています。
この亜硝酸塩は通常、ろ過が正常に働いている水槽内ではろ過バクテリアの一種である亜硝酸酸化細菌によって、「硝酸塩」と呼ばれる亜硝酸塩よりも毒性の低くなった物質へと分解(酸化)されていきます。なお、これらの硝化細菌の働き(アンモニア→亜硝酸塩→硝酸塩)を「硝化作用」もしくは単に「硝化」と言います。

その後硝酸塩は「水換え」「嫌気性バクテリアによる脱窒(窒素に変換し空気中へ)」「植物による消費」などによって水槽内から除去することが出来ます。

水槽 ろ過 硝化 硝化作用の過程図

しかし、水槽内で発生した亜硝酸塩が亜硝酸酸化細菌の許容範囲を越えてしまうと、分解(酸化)が間に合わず、水槽内には有害な亜硝酸塩がそのまま残されてしまう恐れがあります。その結果、生体が亜硝酸塩中毒に陥って死亡してしまう可能性も高くなってしまうでしょう。
特に、ろ過バクテリア(硝化細菌)がまだうまく増殖できていない水槽(立ち上げ直後の水槽など)では注意が必要です。ですが、例えろ過バクテリアきちんと働いている安定した水槽であったとしても油断はできません。ろ過バクテリアの活性具合やアンモニア排出量の増加などにより、ろ過のバランスがある日突然崩れてしまう可能性があるからです。そのためにも、定期的な水質検査は怠らないようにしましょう。