アクア用語集

【アルテミア】塩水湖・塩水池に生息する動物プランクトンの一種

「アルテミア」とは、鰓脚綱・無甲目・ホウネンエビモドキ科・アルテミア属に属する小型甲殻類の総称であり、アルテミア属の学名である「Artemia」をカタカナ読みにした呼び名です。体長は孵化直後の幼生(ノープリウス幼生)で約0.4mm、成体は約1cm、世界中の塩水湖・塩水池に幅広く分布しています。
アクアリウムにおいては主に飼料の一種として扱われており、「ブラインシュリンプ(アルテミアの英名)」もしくは単に「ブライン」などと呼ばれることもあります。

アルテミアは栄養面に優れているだけでなく、その嗜好性・利便性の高さなどから、魚類や無脊椎動物等の飼料に用いられてきました。また、「人工飼料に餌付いていない生体」「拒食を起こしている生体」「体(口)の小さな生体(稚魚など)」「プランクトン食の生体」等に対しても非常に有用的であるとされています。

アルテミアの産む卵は、長期間の乾燥に耐えることが可能な「耐久卵(休眠卵)」です。この卵は水温25℃以上の海水に24時間程度浸すことで孵化し、泳ぎ出したアルテミア幼生(ノープリウス幼生)はしばらくの間、自身の体内にある栄養分を消費しながら成長していきます。そのため、孵化後はなるべく早いうちに使用するべきであると言えるでしょう。

なお、こうした動物プランクトンの体内には海水魚の正常な発育に必要だとされている高度不飽和脂肪酸(DHA・EPA )が豊富に含まれていますが、これは彼らが餌としている植物プランクトン由来のものとなります。そのため、人工的な培養下においては欠乏する場合があります。必要に応じて栄養強化を行いましょう。