アクア用語集

【ケイ酸塩】水道水などに含まれるケイ素が原因となり発生する、栄養塩の一種

「ケイ酸塩(SiO3)」とは?

植物の栄養源となるが、過剰な蓄積は茶ゴケと呼ばれる珪藻類を発生させる原因になる

「ケイ酸塩(SiO3)」とは、主に水道水などに含まれているケイ素が原因となり発生する物質で、水換えや水足し時に水道水を使用することで水槽内に蓄積されていきます。またこのケイ素は地球上のあらゆる物質を構成している元素の1つでもあるため、水槽内の砂や岩、またガラスなどからも微量発生しています。アクアリウムにおいては、「ケイ酸」もしく単に「ケイ素」と呼ばれることもある栄養塩の一種です。

植物の栄養源となるケイ素は、海水中においては主にケイ酸塩という形で存在しています。このような植物の栄養源となる無機塩類を栄養塩と言い、アクアリウムにおける栄養塩の代表格としてはこのケイ酸塩の他に、硝酸塩リン酸塩などが挙げられます。

ケイ酸塩は生態系が構築されるうえで重要な、言わば「食物連鎖の基盤」となる物質です。しかし、水槽内の植物が必要する栄養塩の多くは硝酸塩やリン酸塩などであり、ケイ酸塩はあまり消費されません。水槽内のケイ酸塩を主に消費するのは、アクアリウムにおいて「茶ゴケ」と呼ばれている珪藻類です。この茶ゴケ自体は生体に対してさほど害を及ぼしませんが、底砂やライブロック、ガラス面などを急速に覆ってしまうため、水槽の景観を損なわせてしまいます。そのため、水槽内のケイ酸塩濃度は常に低く保つようにしましょう。
なお、栄養塩は基本的に生物ろ過により分解されることはありません。そのため水槽内から除去するためには、「水換え」「脱窒菌による脱窒」「植物による消費」などの処置を行う必要があります。