有名ペット用品メーカー「GEX(ジェックス)」より新たに販売された、新構造のオールインワン小型インテリア水槽「AQUA-U(アクアユー)」。こちらでは、本水槽の特徴やその構造説明、セット内容、別途必要機材・アイテム、生体を投入するまでの手順、メンテナンス方法等について、実際に水槽を立ち上げながら詳しくご紹介していきます。
特許を取得した新構造「U-system」により、水槽内はとってもすっきり!レイアウトの多様性にも優れており、アクアリウム初心者から上級者まで幅広い方々が楽しめる水槽となっています。クラゲの飼育にもおすすめできる逸品です。
CONTENTS
「AQUA-U(アクアユー)」とは?
圧倒的におしゃれな、GEXの新構造小型インテリア水槽
2018年3月にGEXより新発売されたオールインワン小型インテリア水槽「AQUA-U(アクアユー)」。丁度良いサイズ感でインテリア性も抜群!様々なシチュエーションで大いに活躍してくれることでしょう。
インテリア水槽において重要視される項目と言えば、やはり「見た目」ですね。メンテナンス性や扱いやすさなどはもちろん大切ですが、お部屋に置くインテリアと考えた場合、やはりなるべくおしゃれな物をと考えてしまいます。ある意味譲れないところではありますね。しかし、この「AQUA-U(アクアユー)」はその点にかなり特化しています。おまけにレイアウトの幅も広いため、様々な要望にも応えてくれるはずです。
何故、ここまで余計な物が目につかないスッキリとしたデザインの水槽を作り上げることができたのか…その秘密は、特許を取得した新構造「U-system」に隠されてるようです。
「AQUA-U(アクアユー)」の特徴とその構造について
特許を取得した「U-system」とは?レイアウトの多様性を秘めたその構造にも注目!
ではここから本水槽の特徴とその構造を、以下7つの項目に分けて具体的に詳しくご説明していきます。
- 特許を取得した新構造「U-system」
- 水の循環経路「U-TUBE」
- 機材も収容可能なろ過槽「U-TOWER」
- ろ過様式の変更
- 自由な水位設定
- 特徴的なフタの仕様
- レイアウトの多様性
海水・淡水の選択肢だけでなく、水位、レイアウト、ろ過様式まで変えられる、抜群の多様性を秘めたオールインワン小型インテリア水槽「AQUA-U(アクアユー)」。飼育可能な生物の幅もその分広がるため、アクアリウムがより楽しいものになることでしょう。
①特許を取得した新構造「U-system」
水槽台の内部にある、水槽とろ過槽(U-TOWER)を繋げる循環経路「U-TUBE」。そして、ろ材やヒーター等が収容可能なろ過槽「U-TOWER」、この2つの働きにより、水槽の景観を損ねる余計な機材が目に触れないようになっています。GEX(ジェックス)が開発したこの新構造は「U-system」と命名されており、特許も取得しています。
②水の循環経路「U-TUBE」
ろ過槽(U-TOWER)と水槽、それぞれの底面には2ヶ所ずつ穴が空いています。この水槽とろ過槽を繋ぐ2つの経路が「U-TUBE」と呼ばれるものです。この「U-TUBE」により水槽とろ過槽の水が繋がれた結果、両容器の水には「水位を均等に保つ力」が働きます。この力が常に働いているため、モーターが水槽に水を送り続けても、ろ過槽(U-TOWER)が空になるということはないのです。
ちなみに、この「ポンプが水を送り出す力」と「水位を均等に保つ力」が正常に働いていても、水槽とろ過槽(U-TOWER)の水位は若干異なります(ろ過槽側の水位が約3cm低い)。メーカー側も実際表記している事項ですのでご心配なく。
③機材も収容可能なろ過槽「U-TOWER」
ろ過槽として働く「U-TOWER」。付属の小型水中ポンプを所定の位置に設置することにより、ろ過された水が「U-TUBE」を通じて水槽内へと吐き出されていきます。この「U-TOWER」内には水中ポンプ以外にも、付属のスリムマットタイプのろ過材やヒーター、水温計、また追加のろ材などが収容できるようになっています。
「U-TOWER」側面上部にはコード類を通すための溝も設けられているため、配線がぐちゃぐちゃになってしまうという心配も軽減されますね。なお、この「U-TOWER」内に水温計を設置する場所には、ヒーターの熱が水温計に直接干渉してしまわないよう、お互いをなるべく離して設置するようにして下さい。
④ろ過様式の変更
この「AQUA-U(アクアユー)」は基本的に、底面式フィルターでろ過を行います。付属のベースフィルターを水の吸い込み口側にはめ込み、その上に別途購入した砂を敷くことでセット完了となります。しかし底面式フィルターの掃除は中々手間がかかるため、あまり好きではないという方も多いのではないでしょうか?そのような場合、底面式フィルターを活用しないろ過システムへ変更することも可能となっています。
この「AQUA-U(アクアユー)」には嬉しいことに、専用のストレーナーとストレーナースポンジも付属しています。本来ベースフィルターをはめ込む場所にこのスポンジ付きストレーナーをセットすることで、砂を介せずに水だけを吸い込むことが可能になるわけですね。この時、砂の粒が大きいと底面式フィルターの場合と同じように底砂が汚れてしまうため、なるべく汚れが砂の中に堆積しないよう粒の細かな物を選択した方が良いでしょう。もちろん、砂を敷かないということも可能です。
「底面式だと底砂のメンテナンスが面倒だから嫌だ!」「砂が細かいから底面式だと目詰まりしてしまう!」という方におすすめです。
⑤自由な水位設定
この「AQUA-U(アクアユー)」は、様々なスタイルに合わせて自由に水位を設定する(水位線の範囲)ことができます。本水槽における最高水位は水槽側面に表示されてある水位線の「MAX(最高)」までとなりますが、テラリウム水槽などを立ち上げる際には水位線の「MIN(最低)」にまで水位を下げることも可能です。
水位を調整することができるということは、それだけレイアウトの幅も広がるということ。より個性豊かな水槽づくりが楽しめるというわけですね。
⑥特徴的なフタの仕様
フレーム(水槽枠)無しの水槽には大抵、フタを支えるための「フタ受け」が付属しています。通常フタの幅は水槽の幅よりも若干狭く設計されているため、必然的にこの「フタ受け」が必要となるのです。しかしこの「AQUA-U(アクアユー)」の場合、フタのサイズと水槽の枠のサイズはほぼ同じになっています。そのため「フタ受け」を必要とせず、より水槽がスッキリとするわけです。
しかし、それではフタがずれやすいのでは…?いえいえ心配ありません。水槽の枠には滑り止めのためのシリコンがコーティングされているのです。水槽とフタがピッタリと合うことにより水の蒸発が少なくなり、海水魚水槽のネックである「水分の蒸発による比重の上昇」もある程度抑えることができます。
⑦レイアウトの多様性
上記の特徴と構造により、この「AQUA-U(アクアユー)」のレイアウト性は非常に高いものとなっています。一般的な海水・淡水性熱帯魚の飼育はもちろん、付属の色温度6500kフレキシブルアームLED照明「LEAF GLOW(リーフグロー)」により、水草や植物の育成も可能です。また高い水位でのアクアリウムや低い水位でのテラリウム・水耕栽培など、多様性に富んだレイアウトを楽しむこともできます。それらに合わせ、ろ過様式を変更できるという点も嬉しいですね。
水槽本体は「U-TOWER」を側面にして設置しても良いですが、背面にすることでよりスッキリとした印象に仕上がるでしょう。「U-TOWER」の側面上部にあるコード類を通すための溝は、この水槽設置の向き問題を考慮して2カ所に施されています(側面と背面)。どの角度から見ても配線が隠れやすいようにしてあるというわけですね。これも嬉しい仕様です。
「AQUA-U(アクアユー)」のセット内容と必要機材・アイテムについて
充実したセット内容が嬉しい!用途に合わせて必要アイテムも準備しましょう
この「AQUA-U(アクアユー)」は、その充実したセット内容も売りの一つとなっています。詳しいセット内容は以下の12点です。
- 本体
- ガラスフタ
- ろ過槽用フタ
- 専用ろ過材(活性炭スリムマット)
- モーター
- ストレーナー(2個)
- ストレーナースポンジ(2個)
- ベースカバー(2個)
- ベースパイプ(2個)
- ベースフィルター(1個)
- 吐出口
- LED照明(リーフグロー)
これだけでも十分嬉しいですが、飼育する生体によってはその他いくつかのアイテムが必要となってきます。なお、安定した飼育水を作るためにもろ材はなるべく追加するようにしましょう。特に底面式フィルターを採用しない場合、付属のスリムマットだけではかなり心もとない環境となってしまいます。
- 生体
- ろ材
- 底砂
- ヒーター
- 水温計
- レイアウトアイテム
ろ材は、可能であれば「他の水槽で使用していたもの」や市販の「バクテリア付きろ材」を使用するようにしましょう。これらを用いることにより水槽の立ち上げ期間を大幅に短縮することができます。これらは底砂に関しても同じことが言えますね。もちろん、パイロットフィッシュを用いる立ち上げ方法でも十分です。
「AQUA-U(アクアユー)」の立ち上げ方法
生体(クラゲ)を投入するまでの手順を動画付きで詳しく解説!
それではここから実際に、「AQUA-U(アクアユー)」を立ち上げて生体(クラゲ)を入れるまでの過程を、手順別に詳しく解説していきます。実際の動きは動画内でご確認下さい。
「AQUA-U(アクアユー)」の立ち上げから生体投入までの大まかな手順は、以下のようになります。
- 水槽・付属品を水で洗う
- ろ過槽内をセットする
- 水槽内をセットする
- 水を張り、動作確認をする
- 別途機材・アイテムをセットする
- レイアウトを施す
- 飼育水を完成させる
- 生体を投入する
[st-marumozi fontawesome=”fa-exclamation-circle” bgcolor=”#ef5350″ color=”#fff” radius=”30″ margin=”0 10px 0 0″]LED照明や水槽・ろ過槽(U-TOWER)のフタはお好みのタイミングでセットして下さい。[/st-marumozi]
①水槽・付属品を水で洗う
まず、水槽やその他付属品(LED照明以外)を軽く水洗いします。
この時、石鹸や洗剤は絶対に使用しないで下さい。生体に悪影響を及ぼす可能性があります。
②ろ過槽内をセットする
ろ過槽(U-TOWER)内に、付属のモーター・ストレーナー・専用ろ過材(活性炭スリムマット)をセットしていきます。
コード類は「U-TOWER」側面上部の溝から逃がして下さい。
③水槽内をセットする
まず、水槽底面の2ヶ所の穴それぞれにベースカバーを設置します。
その後、奥側のベースカバーに「ベースパイプ+吐出口」をセットします。水の流れを出来る限り緩やかにしたいという場合、この吐出口は取ってしまっても良いでしょう(クラゲを飼育する場合は取ります)。
底面式フィルターを採用しない場合、手前のベースカバーには「ベースパイプ+ストレーナー&スポンジ」を。底面式フィルターを採用する場合には、「ベースフィルター」をセットして下さい。
なお、ベースパイプはベースカバーの左右の向きにより若干の位置変更が可能です(中央寄りか端寄り)。
続いて、底砂をお好みの量(最高吐出口まで)投入していきます。底面式フィルターを採用している場合、粒が2mm以上の砂を使用して下さい。あまりにも砂が細かすぎると目詰まりが起こり、水がろ過槽(U-TOWER)に到達できなくなってしまいます。
④水を張り、動作確認をする
底砂の上にビニール等を敷き、その上から水を水位線の中間程まで張ります。ビニールを敷くことにより、底砂の散らばりと水の白濁を最低限に抑えることができます。特に淡水でソイルを使用する場合は便利ですね。
その後ろ過槽(U-TOWER)側を持ち上げ、「U-TUBE」内に溜まっている空気を抜きます。水位が高い状態では空気が抜け切る傾斜まで水槽を傾けられないため、必ず水位線中間程の水位の時に行って下さい。なお、水を張ると重量が一気に増すため、水槽を置く場所はこの時までに決めておきましょう。
空気を抜いた後は、付属のモーターの電源を入れて動作確認を行って下さい。正常に動いている場合でも、水槽とろ過槽(U-TOWER)の水位は若干異なります(ろ過槽側の水位が約3cm低い)。問題が無ければ、お好みの水位(水位線の範囲)まで水を張っていきましょう。
万が一モーター稼働中の水位差が3cm以上ある場合、「U-TUBE内の空気が抜けきっていない」「砂が目詰まりしている(砂が細かすぎる)」「砂の中に空気が溜まっている」などの問題が生じている可能性があります。必ずレイアウトを施す前までに解決させておきましょう。
⑤別途機材・アイテムをセットする
別途購入した機材やその他のアイテムを、必要に応じてセットしていきます。なおこの時、ヒーターやろ材は確実に水中へ沈め、絶対に空気中に露出させないようにして下さい。
ヒーターはろ過槽(U-TOWER)内に収容することも可能ですが、水温は水が水槽に戻る過程(U-TUBE)の中で若干下がってしまうこともあります(冬季は特に)。場合によっては、ヒーターを水槽内に設置するようにしましょう。なお、水温計もこのろ過槽(U-TOWER)内に収容する場合、ヒーターの熱が水温計に直接干渉してしまわないよう、お互いをなるべく離して設置するようにして下さい。
⑥レイアウトを施す
水槽内にお好みのレイアウトを施していきます。
種類にもよりますが、基本的にクラゲ飼育水槽内にはレイアウトを施すことができません。レイアウトが障害物となり、クラゲの繊細な体に傷が付いてしまう恐れがあるためです。
⑦飼育水を完成させる
「飼育水を完成させる」というのはすなわち、「生物ろ過を安定させる」ということです。これはろ材にろ過バクテリアが十分定着した状態を意味しています。
狭い水槽内の水は広い自然界と違い、生体の排出した糞や尿、残餌などによってすぐに汚れていきます。もちろん毎日水換えすれば綺麗な水を保つことはできますが、それではあまりにも手間がかかってしまいますね。そのため、水槽内に発生・蓄積されたアンモニアをはじめとする様々な有害物質を比較的害の少ないものに分解(酸化)してくれる「ろ過バクテリア」たちと、彼らの住まいになる「ろ材」が必要となるのです。
飼育水を完成させる(生物ろ過を安定させる)ことができれば、無事に水槽を「立ち上げた」と言って良いでしょう。ろ材に十分な数のろ過バクテリアを定着させるには、通常約1ヶ月程時間がかかります。しかし、市販のバクテリア剤や、バクテリアが定着した砂・ろ材などを使用することにより、その時間は大幅に短縮することができます。
飼育水が完成した(生物ろ過が安定した)かどうかを見定めるためには、水質検査用の測定試薬や試験紙などが必要になります。指標としては、亜硝酸塩が検知されないようになれば生体を入れる準備が整ったと言って良いでしょう。
⑧生体を投入する
お好みの生体を、十分水合わせした後に投入しましょう。
「AQUA-U(アクアユー)」のメンテナンス方法
基本的な掃除・定期的なメンテナンス
水槽・ろ過槽の掃除及び水換え
1~2週間に一度は水槽本体及びろ過槽(U-TOWER)の掃除と、水換えを行いましょう。内部の掃除に関しては、まずモーターの電源を切って生体を移動させます。その後、メラミンスポンジやスクレーパーを用いて磨いて下さい。場合によってはモーターやろ材を一度取り出します。掃除後は水換え(3分の1程度)を行い、モーターの電源も忘れずに入れましょう。
外側の掃除に関しては、薄めた中性洗剤を染み込ませた布で磨いた後、水拭き、空拭きをして下さい。くれぐれも洗剤が水槽内に垂れないように気を付けましょう。
なお、数ヶ月に一度は底砂、ろ材、モーター等の機材・アイテムを全て取り出して洗浄するようにしましょう。
ろ材の掃除・交換
追加したろ材に関しては半年に一度、飼育水もしくはカルキを抜いた水(海水・淡水)で軽く洗浄します。この時あまりにも綺麗に洗ってしまうと、せっかく定着したろ過バクテリアが減ってしまう可能性もありますので注意して下さい。
専用ろ過材(活性炭スリムマット)に関しては、パッケージに記載されている交換時期を目安に交換しましょう。あまりにも汚れがひどい場合には、ろ材と同様に洗浄して下さい。
モーターの掃除
モーター内部の汚れがひどくなると、流量が下がったり、最悪動かなくなる場合もあります。そのため、半年~1年に一回は掃除するようにしましょう。
まず、電源を切った状態でモーター本体をろ過槽(U-TOWER)から取り外します。続いてモーター部のカバーを外し、インペラーカバーとインペラーユニットを取り外します。全てのパーツを洗浄後、モーター内部をブラシで優しく磨き、再び組み立てて元の場所に戻して下さい。
底砂の掃除
底砂の掃除は半年に一度、底砂用のクリーナーを使用するか、底砂を一旦全て取り出して洗浄して下さい。この時あまりにも綺麗に洗ってしまうと、せっかく定着したろ過バクテリアが減ってしまう可能性もありますので注意して下さい。
U-TUBEの掃除
「U-TUBE」内の掃除は、ベースカバーを外した状態で行います。
細く柔らかいブラシ等があれば、内部まで十分掃除することは可能です。