クラゲはその種類こそ豊富ですが、実際に通販等で扱われているものはごく少なく、数種類程度しかありません。
こちらでは、通販等で一般的に販売されているクラゲ4種を一挙にご紹介していきたいと思います。また、何故クラゲはショップであまり扱われていないのか…私が個人的に考える、「クラゲの販売事情」についても詳しく記述していきます。
CONTENTS
クラゲの販売事情
個人的に思う4つの理由とは?
今現在でも毎年のように新種が発見されている生物、「クラゲ」。これだけ沢山の種類が見つかっているのであれば、それだけ生体販売されているものも多いはず…。しかし、実際市場に出回っているクラゲはわずか数種類だけであり、おまけに取り扱っているショップ自体も少ないのが現状です。何故なのでしょうか?個人的には、以下のような理由があるからではないかと考えています。
- クラゲの飼育・維持が難しい
- コストがかかる
- 季節ものとして扱われる
- 需要と供給の問題
[st-marumozi fontawesome=”fa-exclamation-circle” bgcolor=”#ef5350″ color=”#fff” radius=”30″ margin=”0 10px 0 0″]あくまで個人的な見解となります。[/st-marumozi]
クラゲの飼育・維持が難しい
クラゲの飼育は確かに大変で手間がかかります。しかしそれは「購入者」にとってだけではなく、「販売者」にとっても同じこと。採集もしくは繁殖させたクラゲを少しでも美しく仕上げ、販売するまで大切に育て続ける…これには時間とお金、根気、そしてセンスも必要になってきます。形が整った元気の良いクラゲはそれだけ長生きし、お客様にも満足して頂けるでしょう。
このように、クラゲは販売する側にとっても非常に手間のかかる生物と言えます。そのため、扱おうという業者自体が少ないのではないでしょうか?
コストがかかる
種類にもよりますが、クラゲはかなりのエネルギーを必要とします。そのため、基本的には意外と大食漢。常に餌を食べ続けなければ体は少しずつ小さくなってしまい、それに伴って形が歪になってしまう可能性も高まります。1日最低でも1回は餌やりが必要です。それもなるべく胃がパンパンになるほどの量が。餌代がかさむわけです。
また、コストがかかるのは餌代だけではありません。餌を沢山必要とすることは、それだけ水を汚すということです。そうなれば水換えを頻繁に行わなければいけなくなり、結果海水代(人工海水の素など)もかさみます。
おまけに、クラゲは水質の変化・悪化にかなり弱い生物です。毒性の高いアンモニアや亜硝酸塩塩はもちろん、硝酸塩やリン酸塩などの栄養塩の蓄積にも非常に敏感に反応します。こうなるとやがて体の形は崩れていき、最終的には溶けて死亡してしまうでしょう。そのためにも、定期的な水換えは必要不可欠となります。
このように、クラゲの飼育は様々な要因によりコストがかかります。これも、クラゲがショップで扱われない原因の1つではないでしょうか?
季節ものとして扱われる
「繁殖個体」のクラゲを販売するショップであればクラゲを通年扱っている場合が多いでしょうが、「採集個体」を販売するショップの場合、季節限定(海で採集可能な時期)での販売となることが多いです。海にクラゲがいなければ採集して販売することは出来ませんからね。そしてクラゲが最も多く市場に出回る季節は、恐らく夏。人々が目にする機会が増えるからでしょうか、夏場はクラゲに対する関心が強くなるようです。むしろ、「クラゲは夏にしかいない生物」だと勘違いされることも。
そう考えると、需要の少ない季節にクラゲを扱うというのはいささかコストとリスクがかかります。ではどうするのか…「夏季限定でのみ扱うことにしよう」と考えるのも、しごく当然のことなのかもしれませんね。
需要と供給の問題
「クラゲを買い求めようとする人がそもそも少ないため、扱っていない」恐らくこれが、ショップでクラゲが扱われない一番の要因だと思われます。需要がなければ供給する意味がないですからね。淡水魚に比べるとややハードルが高い印象の海水魚、さらにその中でも圧倒的な異色を放つ生体「クラゲ」…なおさら手が出しづらいジャンルと言えるかもしれませんね。そもそも、「自宅でクラゲを飼育することなんて出来るのか?」と疑問視される方も多いのではないでしょうか?しかし、その流れも今徐々に変わってきているような気がします。
近年、クラゲ特有のヒーリング(癒し)効果が人々に注目されるようになり、それに伴って様々なメーカーからクラゲ飼育用品が続々登場するようになってきました。「自宅でクラゲを飼いたい!」という声が少しづつ増えてきているのでしょう。需要が増えれば、供給も自ずと増えるものです。これからもっともっと賑やかになってくれるといいですね。
通販で購入できるクラゲたち
自宅で飼育可能!通販で入手できる人気種4選をご紹介!
現在までに確認されているクラゲの種類数は、約3000種です。しかし、「今この地球上にクラゲは何種類いるのか」と問われても、恐らく誰一人として答えることはできないでしょう。というのも、今現在もクラゲは世界中で毎年のように新種が発見されているからです。さらには、これまでクラゲとして認識されていなかったものが改めてクラゲだと見直されるなんてことも。
そしてその中には、飼育が可能であるものもいればそうでないものもいます。また、飼育は可能でも入手自体が困難(販売されていない)なクラゲも多数。
そこでここからは、実際に通販などで入手することのできるクラゲを一挙にご紹介していきたいと思います。しかし、一言に「クラゲ」といっても、その生態はそれぞれ全く違います。そのため、飼育方法は種によって異なってくるでしょう。「クラゲ」に関しての知識を深め、正しく理解することから飼育は始まります。それでは、素晴らしいクラゲライフを!
ミズクラゲ
クラゲ界屈指の人気と知名度を誇る「ミズクラゲ」。主に春~夏にかけ、日本中の沿岸に幅広く出現します。4つの生殖線が目のように見えることから「ヨツメクラゲ」とも呼ばれており、年間を通じて世界中の水族館で見ることができます。初夏頃になると日本中の沿岸に大量に現れるため、目にする機会も多いのではないでしょうか?
クラゲの中で最も需要が多い種とも言えるミズクラゲ。「クラゲの生体販売を行なっている会社ではほぼ間違いなくこのクラゲも扱っている」と言っても過言ではありません。
しかしそんな知名度の高さとは裏腹に、実は彼らの飼育は以外と難しいのです。遊泳力が乏しい上にとても繊細で型崩れもしやすいため、水流作りに細心の注意を払う必要があるでしょう。また遊泳力が乏しいということはつまり、ろ過槽に吸い込まれてしまう可能性も非常に高いと言えます。
(クラゲ 海水魚)ミズクラゲ Sサイズ(1匹) アクアリウム 海月 北海道・九州航空便要保温
タコクラゲ
キノコのようなシルエットに可愛らしい水玉模様のついた、なんともファンタジックなクラゲです。8本の口腕からはそれぞれ付属器が延びており、その外見が頭足類の「タコ」に似ていることからこの名が付けられました。主に夏~秋にかけ、関東以南の沿岸に出現します。
高い遊泳力を持っているため、クラゲ飼育一番の難点である「水流作り」にはあまり困らないかと思います。ろ過槽に吸い込まれる可能性も他のクラゲに比べかなり低いと言えるでしょう。
タコクラゲは、体内に共生させた褐虫藻の光合成から生じる栄養分を得ています。そのため、ある程度光量のある照明を付けなければすぐに痩せ衰えてしまうでしょう。しかし、彼らも別に100%褐虫藻に依存しているというわけではなく、またエネルギーの消費もかなり激しいため、餌も併用して必要となります。
(クラゲ 海水魚)タコクラゲ Sサイズ(3匹) アクアリウム 海月 北海道・九州航空便要保温
カラージェリーフィッシュ
インド洋~西太平洋にかけて分布している色彩の美しいクラゲ。観賞用として日本にも多く輸入されていますが、その生態に関しては未だ謎も多く、長期養殖技術の確立は困難を極めています。生息する地域によって外見が若干異なるため、分類学上においても未だ議論がなされているようです。以前は「ブルージェリー」と呼ばれていましたが、共生している褐虫藻の数や種類によりいくつものカラーバリエーションが存在するということが明らかとなった結果、現在は「カラージェリー」と改名されています。
タコクラゲと同様彼らは高い遊泳力を持っているため、クラゲ飼育一番の難点である「水流作り」にはあまり困らないかと思います。ろ過槽に吸い込まれる可能性も他のクラゲに比べかなり低いと言えるでしょう。
カラージェリーフィッシュはタコクラゲと同様、体内に共生させた褐虫藻の光合成から生じる栄養分を得ています。そのため、ある程度光量のある照明を付けなければすぐに痩せ衰えてしまうでしょう。しかし、彼らも別に100%褐虫藻に依存しているというわけではなく、またエネルギーの消費もかなり激しいため、餌も併用して必要となります。
(クラゲ 海水魚)ブルージェリー Sサイズ(1匹) アクアリウム 海月 北海道・九州航空便要保温
サカサクラゲ
鹿児島より南の比較的浅くて温かい海に生息しているクラゲ。主に夏~秋にかけて出現します。彼らサカサクラゲの最大の特徴といえば、やはりその独特な容姿ですね。別に誤ってひっくり返ってしまったわけではありません。文字通り、常に「逆さ(サカサ)」なクラゲなのです。
嬉しいことに彼らはクラゲだとは思えないほど異様に丈夫!ちょっとのことではびくともしません。おまけに基本泳がず底や壁に引っ付いているため、「水流作り」の心配をする必要はほとんどありません。ろ過槽に吸い込まれる可能性も他のクラゲに比べかなり低いと言えるでしょう。そのためクラゲの中では珍しいことに、レイアウトを施した水槽に入れることも可能です。しかしこれはある意味デメリットでもあるかもしれませんね。クラゲ特有のふわふわとした泳ぎがほとんど見れないわけですから。
サカサクラゲはタコクラやカラージェリーフィッシュと同様、体内に共生させた褐虫藻の光合成から生じる栄養分を得ています。そのため、ある程度光量のある照明を付けなければすぐに痩せ衰えてしまうでしょう。しかし、彼らも別に100%褐虫藻に依存しているというわけではなく、またエネルギーの消費もかなり激しいため、餌も併用して必要となります。