BLOG

クラゲの面白い構造や不思議な生態、その魅力について語りたい(Part.3)

クラゲ 体 構造 生態 魅力

どうもみなさん、カシオです。前回はクラゲの目や胃について語らせて頂きましたね!今回は、彼らの呼吸方法についてお話していきたいと思います。「え、クラゲって呼吸するの…?」なんて思われている方も少なくないのではないでしょうか。肺を持たない彼らがどうやって呼吸するのか…気になりますよね?是非最後までお付き合い下さい。

クラゲ 体 構造 生態 魅力

クラゲの体にまつわる面白いお話③

クラゲは肺が無い代わりに、体全体を使って呼吸している!?

さて、クラゲに肺はあるのか?ありません!しかし、生物ですからちゃんと呼吸を行っています。肺が無いのに一体どこで呼吸するのか…実は彼ら、体全体を使って呼吸しているのです。

クラゲ 体 構造 生態 魅力

以前、「彼らのフワフワとした動きはポンプ(心臓)の働きも兼ねている」というお話をしましたね?この動きにより、体の隅々にはしる水管と呼ばれる血管のようなものを通じて体全体に栄養素を運んでいます、と。実を言うとこの時水管を流れるのは栄養素だけではありません。彼らは海水をそのまま体内に取り込み、水管内を巡らせています。そして身体中を流れる海水から直接酸素を取り込んでいるのです。いわゆる「体表呼吸」「皮膚呼吸」と呼ばれるものになりますね。彼らの細胞一つ一つが直接酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出しているのです。面白い体をしていますねぇ。ちなみに人間は肺呼吸ですが、少なからず皮膚呼吸も行っています。

 

酸欠にはご用心!恐怖の実体験

さて、これは昔私が実際に体験した話なのですが…水槽にクラゲを入れても2~3日で必ず死んでしまうということが続く時期がありました。ろ過も水温も比重も何一つ問題がないのに、水槽にクラゲを入れて2~3日経つと絶対に全滅してしまう…「原因がわからない」というのは当時、何事にも代えられないほどの恐怖でした。朝水槽を確認するのがとても嫌だったことを今でもよくよく覚えています。

クラゲ 体 構造 生態 魅力

その時使っていたろ過槽は、エーハイムの外部式フィルター…そう、ろ過槽内の水が空気と触れないようになっているタイプのろ過槽です。おまけにろ過された水が吐き出されるシャワーパイプは、クラゲ水槽の水流を作り出すために水面下へ完全に沈めていました。水面は動かず、ろ過槽内の水も外気に触れていない…これでは飼育水に全く酸素が取り込まれませんね。この時ふと思ったのです。「あれ?これ酸素入らないけどクラゲはそもそもどうやって呼吸を?と言うよりも、呼吸してるの?」と。普段魚を飼育する場合には気にかけることでも、クラゲに関しては何故か全く気にしていませんでした。不思議なものですね。「クラゲは酸欠で死なない!」と、何故か思い込んでいました。

クラゲ 体 構造 生態 魅力

その後水槽内にエアレーションを投入し始めたところ、クラゲは全く死ななくなりました。足元をすくわれるとはまさにこのこと…知識不足でした。クラゲは酸欠により死亡していたのです。酸素はクラゲだけでなく、生物ろ過を行う硝化細菌のためにも必要不可欠な存在です。クラゲを飼育する際は、酸欠にも十分気をつけて下さいね。

 

さて今回は以上になります。次回は…そうですね、クラゲの毒と刺すメカニズムについて語っていきましょうか。夏に向け、刺された場合の対処法についても解説していきますね。それでは!カシオでした。