クラゲから抽出されるコラーゲンやムチン等といったクラゲ由来の成分たち。こちらでは、それらの特徴や効果・効能についての説明に加え、このクラゲ由来成分が配合されている化粧品のご紹介や、実際に使ってみた感想・個人的レビューについても詳しく記述していきます。
人々の健康や美容に様々な効果をもたらすと期待されているクラゲ由来の成分。保湿性や安全性、そして応用性にも長けているこれらの成分は、きっと今後も様々な分野において活躍してくれることでしょう。不思議で神秘的な海の生物「クラゲ」、彼らに秘められた可能性はまさに未知数です。
CONTENTS
注目されるクラゲ由来の成分とは?
従来のものとは訳が違う!?クラゲ由来成分の特徴・効果・効能について
世界各地で頻繁に問題となるクラゲの大量発生による工場被害や漁業被害。この問題の原因となるクラゲを何とか有効活用できないかと、食品への加工や土壌改良剤の開発、化粧品の原材料、医療への応用など、これまで様々な取り組みが行われてきました。そんな多分野における研究の中でも常に着目されている代表的なクラゲ由来成分というのが、彼らの体に含まれる独自のコラーゲンやムチンなどといった有機化合物になります。
体の95%以上が水分でできている神秘的な海の生物「クラゲ」。何故彼らはそれほど大量の水分を保持できているのか。それは、体にわずか数%しか含まれない有機化合物たちが驚異の保水力を持っているためです。主にコラーゲンやムチンに代表されるこのクラゲ由来の成分は単に保湿性に優れているというだけでなく、その安全性の高さも評価されており、化粧品の原材料としての活用や、医療への応用など、様々な分野において活用できるのではないかと今注目されています。
クラゲ由来のコラーゲン・ムチンは従来の動物由来のそれとは異なった性質を持っており、量産性・安全性に優れた良質な資源として多くの可能性が期待されています。様々な被害をもたらし、海の厄介者として扱われていたクラゲたち。そんな彼らから抽出される成分には一体どのような秘密が隠されているのでしょうか。ここからはそんなクラゲ由来の成分について、その特徴や効果・効能をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
クラゲ由来のコラーゲン
人間の体を構成しているタンパク質の一種「コラーゲン」。このコラーゲンは、皮膚・骨・軟骨・血管をはじめとした体中のありとあらゆる組織に存在しており、細胞同士を繋ぎ合わせたり、水分を保持して弾力性をもたせるなどの役割を担っています。このコラーゲンの働きは古くから着目されており、肌のハリや弾力、みずみずしさを保つ、「美容・保湿成分」の1つとして化粧品に配合されることもあります。
コラーゲンと言えば、従来は牛・豚・鶏・魚由来のものが主流となっていました。そんな中、新たなるコラーゲンの新素材として、今あるものが注目されるようになりました。それこそが、クラゲ由来のコラーゲン「クラゲコラーゲン」です。
クラゲの体に含まれている有機化合物の中で一番多い割合を占めているコラーゲン。このコラーゲンは、牛・豚・鶏などから抽出される「動物由来のコラーゲン」やコラーゲンを加熱・分解して作る「ゼラチン」「加水分解コラーゲン」よりも保水力に優れているというだけでなく、感染症やアレルギー発症などのリスクも少ない、安全で良質なコラーゲンだと言われています。また、このクラゲ由来のコラーゲンは皮膚や軟骨などの細胞に対する適合性が高く、肌の細胞を活性化させる働きもあるということから、化粧品への応用だけでなく、再生医療への応用も期待されているそうです。
クラゲ由来のムチン(クニウムチン)
糖とタンパク質が結合した糖タンパク質の一種、「ムチン」。このムチンは、眼・関節・消化器官・呼吸器官などの保湿や潤滑成分としての働きをもつ他、細菌・ウイルス・外部刺激などから粘膜を保護する役割も担っています。その優れた抗菌性・保湿性から、化粧品に配合されることもありますが、ムチン自体が非常に複雑な物質であるということから、良質で純粋なムチンを大量生産する手段はおろか、ムチンのその詳しい構造さえも明らかにされていませんでした。
そんな中、新たなるムチンの新素材として、今あるものが注目されるようになりました。それこそが、クラゲ由来のムチン「クニウムチン」です。
クラゲの体から発見された新規ムチンであるクニウムチンはこれまでに発見されたムチンと異なり、とても原始的で単純な構造をしているとのこと。その結果これまで解明されていなかったムチンの詳しい構造が明らかとなり、多くの分野において活用できるのではないかと期待されています。特に近年話題となったのは、軟骨がすり減ることにより関節に腫れや痛みが生じる「変形性関節症」への絶大な治療効果です。従来の治療薬であるヒアルロン酸とムチンを併用し関節に注入することにより、症状の緩和や軟骨の修復促進効果が高まるというのは以前から知られていましたが、良質で高品位なムチンを大量生産する方法はこれまで確立されておらず、実質不可能だとされてきました。そう、クニウムチンが発見されるまでは。この新規ムチンの発見により、純度の高いムチンの安定供給が可能になると言われています。またこのクニウムチンは従来のムチンよりもシンプルな物質であるため、安全性も高く、将来的には人工関節液やドライアイ治療薬、その他様々な再生医療にも活用できるのではないかと期待されています。
オワンクラゲの緑色蛍光タンパク質(GFP)
オワンクラゲの持つ蛍光タンパク質「緑色蛍光タンパク質(green fluorecent protein:GFP)」。このタンパク質は1961年、下村脩によって発見・分離精製されました。その約30年後にはマーチン・チャルフィーが他の生体内にこのGFPを移植・発光させることに成功。その後ロジャー・チェンが緑以外の色でより効率よく発光させることに成功しました。これらの研究に携わった3名には、2008年にノーベル化学賞が贈られています。
この緑色蛍光タンパク質(green fluorecent protein:GFP)は生体内において、イクオリンという発光タンパク質と複合体を形成しています。発光細胞内にあるこのイクオリンは体内のカルシウムイオンに反応し青色に発光し、そのエネルギーがGFPに伝わることで緑色に発光します。
クラゲ由来成分を配合した化粧品紹介
保湿性や安全性に優れたクラゲ由来成分が美しさをつくる!?
クラゲから抽出される良質で安全性の高い有用成分たち。近年、この成分を化粧品の原材料に加える試みが行われるようになり、実際に販売に至るまでになりました。こちらでは、そんなクラゲ由来成分が配合された様々な化粧品をご紹介しています。
実際に使ってみた感想・個人的レビュー
しっとりなめらかな仕上がり!その保水力はやっぱり素晴らしい
それでは、クラゲ由来成分が配合された化粧品を実際に購入・使用してみた感想について記述していきたいと思います。今回ご用意したのは以下3種類。いずれも、原材料に「クラゲ」という文字が見てとれます。果たして、その使い心地はどのようになっているのでしょうか。
- 海乃月:洗顔化粧石鹸(海月研究所)
- アクアフォースエキストラジェル:ジェル状保湿液(オルビス)
- プラーミア モイスチュアリフター:頭皮美容液(ミルボン)
[st-marumozi fontawesome=”fa-exclamation-circle” bgcolor=”#ef5350″ color=”#fff” radius=”30″ margin=”0 10px 0 0″]「コラーゲン」「加水分解クラゲエキス(アクアジェリーマトリックス)」「クラゲエキス」との名称でそれぞれ配合されています。[/st-marumozi]
海乃月:枠練り石鹸(海月研究所)
まずはじめに使用したのは、「海月研究所」から販売されている洗顔化粧石鹸、「海乃月」です。海月研究所は世界で唯一クラゲ由来のコラーゲンとムチンを販売している、まさにクラゲのパイオニアとも言える会社です。そこが出しているクラゲコラーゲン配合の化粧石鹸となればもう…間違いないでしょう。
「海月(クラゲ)」と言うだけあって、そのパッケージは月を連想させますね。ちなみに原材料を見てみると、着色料や香料などといった文字は見当たりません…流石としか言えませんね。そしてこの「コラーゲン」と書いてあるのが、恐らくクラゲ由来のコラーゲンということでしょう。石鹸自体はやや黄色がかった半透明。香りは…あまりしませんね。無香料ですから!わくわくしながらお風呂場へ。さて、実際に使ってみたいと思います。
モチモチとした泡がとても良い感じですね。そして肌で感じるしっとり感。なるほど…これがクラゲのコラーゲン!洗い上がりはスッキリとしているにも関わらず、水分を拭き取ったあとはもっちりしっとりしています。なんて上質な石鹸…これはクセになりますね。
アクアフォースエキストラジェル:ジェル状保湿液(オルビス)
続いて使用したのは、「オルビス(ORBIS)」から販売されている保湿ジェル、「アクアフォースエキストラジェル」てす。オルビスは化粧品や栄養補助食品、ボディウェアなどを販売している会社であり、その高い品質から愛用者もかなり多いと聞きます。スキンケアアイテムはその全てがオイルカットというこだわりもオルビスならでは。
そんなオルビスから販売されているこのアクアフォースエキストラジェルには、「加水分解クラゲエキス(アクアジェリーマトリックス)」が配合されています。「ピュアアクアエッセンス」と呼ばれる保湿成分の1つになっているようですね。なんて惹かれる名前なんでしょうか。では早速使ってみたいと思います。
洗顔・化粧水後、適量を肌に塗布…しかし、考えが甘かった。これは少量で大丈夫みたいですね、物凄い保湿力です。すぐに肌に吸い付き、しかしベタッとしすぎる感じは無く、肌を優しく覆ってくれます。翌朝も肌はしっとりしたまま。一般的な保湿クリームよりも個人的には断然おすすめです!
プラーミア モイスチュアリフター:頭皮美容液(ミルボン)
最後に使用したのは、「ミルボン(MILBON)」から販売されている頭皮美容液、「プラーミア モイスチュアリフター」です。ミルボンはヘアサロン専用ブランド商品を主に扱っている企業であり、プロのヘアデザイナーに信頼されるその品質の高さが売りとなっています。なお、この「プラーミア」とは、そんなミルボンが手掛けるブランドの1つとなっています。
このプラーミアモイスチュアリフターには、「クラゲエキス」が配合されています。恐らく保湿成分の1つだとは思いますが、具体的な成分に関しては不明です。ボトルは綺麗な青紫。高級感を感じさせるデザインですね。キャップを開けてみると、プッシュタイプのボトルになっていました。これを押して頭皮に直接垂らしかけるようです。早速使ってみましょう。
なるべく頭皮に直接かかるようにかけ、マッサージするように揉みこんでいきます。頭皮にスーッと染み込む感じはたまりませんね。優しいベールで覆われていくようです。そしてまた何より、香りがとても良い!何とも表現しにくい、独創的な良い香りです。ミルボンの製品はその香りも特徴の1つになっているようですね。